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担当講師の紹介と挨拶



柯 一薰

台北出身
筑波大学大学院博士(学術)取得

中国茶・台湾茶芸師資格
茶道裏千家許状
いけばな池坊免状

 


   初めまして、中国茶教室を担当させていただきます柯と申します。お茶に興味のある方々にお茶への思いを語りたいと思います。
 
   皆様、お茶といえばどんな感じがしますか。抹茶や煎茶などはときどき飲んでいますか。いまいちわからない方もいらっしゃると思います。茶道や煎茶道といわれたら、さらに距離感を感じることはありませんか。中国茶と言いますと、もうすでに異文化領域として考えていらっしゃるかもしれませんね。

   まず、中国茶の位置づけを簡単に説明しますと、日常生活で飲み物として飲まれる抹茶・煎茶(ほうじ茶、番茶も含め)と儀式化された抹茶道(茶道)・煎茶道の中間にあると考えたらよいと思います。つまり、日常生活の一部として、一定の手順を踏まえて茶を淹れることです。生活芸術とも言えます。そして、中国茶と日本茶はまったく無関係ではなく、繋がりが強いことも付け加えておきたいです。

   当教室では、そのような中国茶を皆様にお届けしたいと思います。中国茶教室は少なくないかもしれませんが、当教室の特徴としては、お茶の淹れ方だけではなく、中国茶を中心として日本茶との関係を、歴史から、道具から、茶の種類から系統的に紹介します。お茶の背景を理解しないままで淹れ方だけ学習しても「形」しか得ることができないと考えております。

   音楽で例えますと次のようになります。音楽を勉強するときには、実技のほかに音楽理論を習得しないといけません。一流の先生でしたら音楽の背景、作曲者の性格まで分析します。それを理解してから、初めて音楽が甦生します。お茶は広義の芸術技能ですから、音楽と同じような考え方でレッスンを進めたいと思います。

   中国茶には、台湾茶も含めて千種類以上もあると言われています。日本の茶道、韓国の茶礼に対し、中華の茶は一般的に「茶芸」と称されています。お茶を飲むことは中国の伝統文化ですが、茶芸が系統的な学問として発展するのは、近年台湾から始まりました。そのため台湾茶芸の作法を中心として行います。上述した内容のほか、お茶と関係するお花や習字などの内容も取り入れます。小さな茶杯(湯のみ)の中に、「心」と「実技」が凝縮された茶湯を楽しむことは当教室の理念です。同じ茶葉でも、淹れる人によって、茶道具によってそれぞれの個性が現れます。ただし、「おいしいお茶」ができたときの愉しさと達成感は共通するものです。茶侶(茶を淹れる人)の一人ひとりの愉しさを皆で共感することは、シンプルでありながら、茶の真義であると考えております。

   中国茶を始め、身近な飲み物であるお茶をもう一度見つめてみませんか。有縁人(縁がある方々)をお待ちしております。